はたらく母さん 看取り奮闘記

働いて、子育てしながら、親の看取りはできるかな?

医療施設と介護施設、それぞれの違いについて

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3月1日に、老健から病院に移った父。

 

老健とは、老人保健施設のことで、介護保険法による施設。主に、自宅へ帰ることを目的としてリハビリなどをする目的の施設です。

 

病院、これについては説明をするまでもなく、医療を提供して、病気を治すことを目的とした施設。

 

父も私も、これまで「施設」というと、病院しか利用したことがなかったので、このたび初めて介護保険施設を体験してみました。

 

なので、医療と介護の施設の違いを患者家族の目線で紹介いたします。

 

まず、理屈抜きで、私という一個人とっては「介護施設のほうが居心地がよい」ということ。

 

もうこれは、単純に、私が「病院がキライ」だから。

多少の風邪ではまず、いきません。明らかにインフルエンザっぽくっても、いきません(ですが、最後は夫に無理やり連れて行かされます、、、。)。

 

なので、自分の治療ではなく、父の見舞いでも病院に行くのが嫌でした。

あの薬品の匂い、雰囲気、どうしても居心地が悪く、父には申し訳ないのですが、着いたらすぐに「帰りたい!」と思ってしまいます。

 

ですが、今回、老健を何度訪ねているうちに、ゆっくり座って、父と話している私がいるではありませんか!

無意識に、ゆったりと、父と話でもしようかな、、、と思えるのです。

それは、老健は、「生活の場」なのだからです。スタッフの方々もそれを念頭に置いた声かけや、動きです。なので、自然と雰囲気が家庭的になり、見舞い客もくつろげるのだと思います。

 

一方、医療施設は、「治療」を目的に、スタッフの動きや物事が進められていきます。

どこの病院もスタッフの方々はとても忙しそうです。声をかけるのもためらわれがちです。施設内もよく言えばすっきり、悪く言えば殺風景です。

 

それぞれの施設の目的が異なる所以でしょう。

残念ながら、父の容体は、医療を必要とする状態になってしまい、病院へ舞い戻ることになりました。

 

 

老健を後にする時、相談員さんに最後の挨拶を思いお礼を言おうし、自然に涙がこみ上げてきました。

とても親身になってくださったことに、救われた自分がいて、それを思うと泣けました。そして相談員さんも泣いてくださいました。

 

少しの間でしたが、暖かい施設で過ごせたことは、父にとっても私にとっても、良かったかな、と思っています。